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2016/06/05

【神戸新聞】「地元の味」広め、潤い還元

 

元プロレスラーの経歴を持つ経営者がいる。沖縄料理店を展開するワールド・ワン(神戸市中央区)の社長、河野圭一さん(45)だ。興行で全国を巡る中で沖縄の食材に魅せられた。高価な印象が強かったが、店舗網を広げ、食材加工拠点を現地に置き、大量仕入れによるコスト削減で低価格を実現。土佐(高知)、山陰の料理店も出し、急成長を遂げつつある。

 

どうせやるなら世界で一番の会社にしよう、と。社員が心を一つにし、お客様や取引先、地域の人々に対して、常に最高の組織でありたい。社名にはそんな思いを込めました。

過去にいろいろな失敗を経験してきたからです。高校を卒業して自動車整備士になったが1年で辞め、神戸・三宮のカラオケバーで働き始めました。その後、2店の経営を任されましたが、軌道に乗った直後、阪神・淡路大震災で店が入居していたビルが全壊。営業再開のめどは立ちませんでした。

 

従業員仲間とともに勇躍、大阪・ミナミへ。1996年に前身の有限会社を設立し、自分たちでカラオケバーをつくった。

 

5、6店ぐらいに増えたところで、ダイニングバーを開きました。店内に大きな水槽をしつらえたのが受けて大盛況。が、半年ほどで客足がぱたりとやみました。料理や接客で満足されていないのに、話題性でにぎわったことに慢心したのでしょう。何の経営知識もない集団が、感覚と自己満足だけで店を運営していた。仲間と責任をなすりつけ合う状態になってしまって…。債権債務を整理し、会社を休眠させることにしました。

もともと格闘技が好きだったこともありレスラーに転じ、神戸のプロレス団体「闘龍門ジャパン」(現ドラゴン・ゲート)に所属しました。それでも興行先に向かう車中で経営や哲学、仏教書を乱読しました。会社をつくったのに志半ばだったので、リングに立ちながら「もう一回、ちゃんと勉強したい」と。

 

全国津々浦々の巡業先で郷土料理に触れた。特に感銘を受けたのが、沖縄料理だった。

 

市場の食堂で「田芋」の唐揚げを食べました。手をかけて調理したわけでもないのに、素朴でさりげなくおいしかった。シークワーサーのジュースにも感激しました。沖縄の食材に出合うたび飲食店経営への思いが募りました。5年を区切りに引退し、2002年に沖縄料理店を三宮に開業しました。

経営理念に「いい会社、いい店をつくろう」と掲げています。社員、お客さま、取引先のすべてが幸せになる循環を築こうとの願いです。ある料理が注目されて生産者は供給を増やすが、ブームが去ると店も生産者もお手上げになる。そんな負の循環を何度も見てきたからです。

沖縄に続いて、土佐と山陰の郷土料理店を開きました。魅力的な食材でも、安定した出荷先が少ないせいで、広く流通されない状況があります。当社の店舗網が、地方の生産者に安心して供給してもらえる呼び水となり、さらに生産者の直接連携に発展すれば、地方の活性化に貢献できると信じています。